東京恋愛散歩

東京の街は恋と笑いにあふれてる

隅田川と屋形船

f:id:cafenakamura:20140706143841j:plain

 

「この間、告白されたんだって、聞いたわよ。」
「もうやだ、会社いられない。」
「けいこが辞めることないじゃん。」
「そうよ、セクハラよセクハラ。」
「私、なんで部の忘年会の屋形船の中で、大声で告白されなきゃいけないのよ、恥ずかしくて川に飛び込もうかと思ったわよ。」
「バカじゃないの、あいつさ、結構評判になってるわよ。でも、けいこのことじゃなくてあいつが馬鹿だって。」
「部長、結構、まじで怒ってたって。」
「課長が怒ってくれたから、助かったけど。私、泣きそうだった。」
「だから、あいつ、もてないんだって判らないのよね。」
「あ、けいこ、ほんとは課長のこと、大好きだしね。泣きながら、抱きついたりしたんじゃないの。」
「そうだったんだ~、じゃ、さ、お礼にお食事にご招待したいんでとか言ってみれば、ね、課長、独身に戻ったんでしょ、去年。」
「そうだよ、けいこ、ここは、これ利用してさ。」
「え、そう、そうかな。おかしくない、私がお礼に食事に招待なんて。」
「ないない、大丈夫だって、いいきっかけできたし、良かったねえ。」

カフェ・ムルソー
  浅草からほんの少し歩くだけで、眺めのよいカフェに着く。浅草寺の賑やかさの中を歩き疲れたら、ぼんやり隅田川を眺めながら、珈琲を飲もう。

表参道の熱い高校生

f:id:cafenakamura:20160918124030j:plain

 

「あのさあ、おれ、今日、授業中に考えてたんだけどさ 過去って確実に存在するけどさあ、未来はあるかどうかわかんないじゃん。ってことはさ、過去に戻ることは可能なんだよ。絶対、可能だわ。でもさ、未来は存在するかどうかわからないんだからさ、行けないってことよ。すごくね!過去のお前に会ってみたいよ。」

「小学生とかの私に高校生のあんたが会っても、おもしろくなくね? それより、このチョコラティ なんだっけ、バナナのまじおいしいよ。」

 男はいつも幼くて、女はいつも冷静だ。

東急プラザ表参道原宿


晴海ふ頭のヒーロー

f:id:cafenakamura:20160917183959j:plain

 

「ここって、戦隊モノの基地なんだよなあ。」
「せんたいもの?」
「ほら、なんとかレンジャーというのあるだろ。子供の頃、よく見た。」
「ああ、男の子が好きなやつね。」
「そう、東京に来てさ、銀座から都バス乗って、初めてここに来て、あ、ここ知ってるって。うれしくなっちゃって。」
「ふーん。そうなんだ。」
「やっぱ、子供っぽいかな。」
「ま、いつもそうだし、そういうとこ、嫌いじゃないから。それに、意外でおもしろいね。銀座から都バスで来れるところに、こんなのあるなんてね。」

オリンピックの選手村が建設されたり、数年もするとまたすっかり景色が変わっているかも。
有楽町、銀座から都バスで行けるのも意外。

www.kouwan.metro.tokyo.jp

上野のとんかつ

f:id:cafenakamura:20161006181455j:plain

「なんだい報告って」
「結婚することにした。」

「おお、良かったなあ。そりゃあ、良かった。苦節何年だっけ、やっとあの男がふっきれたか。」

「ねえ、寂しいとか思わないの。」

「なに言ってんだか、思わないよ。いい話じゃないか。ずっと心配していたんだしさ、いや、めでたい、めでたい。」
「ただ、一つ問題があってねえ。」
「なんだよ。お母さんのことか?元気なんだろ。そんなの何かあってから考えればいいじゃないか。彼氏は、長男なの?」
「次男」
「じゃあ、問題ないじゃないか。良かった良かった。」
「違うのよ、もっと大きな問題があるの。」
「もっと大きな問題?あ、元カレか、何年引きずってんだよ。」
「なに言ってんのよ。確かにないことないけど、さすがに違うわよ。」
「怒んなよ、なんだよ。」
「相手のことが、どうにも好きになれないのよ。ちょっと、そこ、笑うとこじゃないし。真剣に相談してんのに。」
「あのさあ、30も後半になるまで、独身で来てさ、いまさら、好きでもない男と結婚することないんじゃない。」
「それは、結婚したことのある人だから言えるのよ。私だって、一回くらい結婚したいわよ。でもさ、なんかダメなのよね・・・」
「なんだそりゃ。」
「いい人なんだし、条件もいいんだけどさ。あのさ。」
「なんだよ。」
「いや、あの、例えばさ、一緒いてさ、手とか触れるとぞわっていうか、なんかダメなのよ。それがどうも。」

「そりゃ重症だな。でもま、まあまあ好きなんだろ、だったら・・」
「好きだ好きだって結婚しても、あんたみたいになっちゃうのもいるでしょ。でもねえ、自分の中で、一回、結婚したっていう事実は必要なのよ。わかんでしょ。」
「なーに言ってんだか、びっくりして、味噌汁覚めちゃったよ。」
「もう、笑うの止めてよ。」

 

井泉本店

銀座のリクルーター

f:id:cafenakamura:20170108003438j:plain

 

「いいかい、最初は指名もなかなか取れないし、夜の仕事だけじゃ喰えないから、昼の仕事続けないとダメだからね。判ってる?」
「はい。しばらくは、続けるつもりですから。」
「あ、それと彼氏はダメだよ。別れたんだろうね。」
「もう一年前に別れました。」
「うちもさ、経営厳しいんだよ。そんな中で、女の子の安全も考えてさ、銀座からすぐのところに部屋借りてるわけ。これ、まじでさ、男連れ込まれたり、住まわせたりすると困る訳よ。頼むよ。」
「はい。」
「ま、さ、彼氏作るんだったらさ、ちゃんと金銭的にもちゃんとして、あんたのこと支えてくれるような人にしなよ。な。」

 隣の席で、打ち合わせしていた取引先の担当者と私は、沈黙。
 

ランデブーラウンジ 帝国ホテル東京

 

上井草の恋バナ

f:id:cafenakamura:20160917135017j:plain

ちひろ美術館って、安曇野にもあってね、すっごくいいんだよ。トットちゃんの電車とかほんとにあるの。」
「ふーん、誰と行ったんだよ?元カレ?」
「気になる?ねえ、気にしてんだ。」
「別に、オレだって、いろいろあるし。」

冬の日差しが暖かい美術館のカフェ
小春日和に上井草駅から住宅地の中を散歩しながら行くのに最適。

ちひろ美術館(東京)

 

池之端の温泉

f:id:cafenakamura:20160813100743j:plain

 

 そういえば、ここで見合いをしたんだった。見合いと言っても、そんな形式ばったものではなかったけれど。あれで懲りて、後にも先にもあれ一回になったな、自分的に。

 正月明けに実家から両親がやってきて、東京の叔父叔母と食事をするからと呼び出された。わざわざ苦い思い出、でもないが、いずれにしてもここにしなくても良いモノをと両親の無関心さに今更ながら感動する。

 「おい、この間、来た時には温泉入れなかったんだろう。今日は、大丈夫だぞ。」って、なに言ってる父上殿・・・

 ・水月ホテル鴎外荘